5-1. 1年半経ったら、復職するつもりだった
「1年半経ったら、復職しようと思っていた」
なかなか復職出来ない中で、なんとなく目標にしていました。
理由は、傷病手当金が1年7カ月目から減ってしまうという問題があったのと、
同僚も大体1年から1年半で復職していたからです。
正直、「1年半も経てば、良くなっているはず」と、どこかで思っていました。
2. 少しずつ出来ることを増やしていった
復職に向けて、生活リズムは出来るだけ働いていた時と変えないように意識していました。
日中はなるべく机に向かい、何かスキルアップにつながることをしようとしていました。
とはいえ、勉強が得意ではない私にとって、長時間ずっと机に向かうことはできませんでした。
せめて、「昼寝だけはしないようにしよう」。それだけは、自分の中で決めていました。
休職中もストレスは溜まりました。
体調が悪いときほど、晩酌の量が増える → 朝起きられない → 日中のやる気や集中力が下がる……
そんな悪循環になる日もありました。
そうなったときは、自分を責めるのではなく、「頑張らずに休む」。
そう自分に言い聞かせるようにしていました。
3. 常に不安を抱えていました
一番怖かったのは、復職してもまた再発してしまうのではないかということでした。
最初は会社も配慮してくれるかもしれない。でも、時間が経てば、また以前のような忙しさやプレッシャーが戻ってくる。
そのときに、自分は耐えられるんだろうか――。そう思うと、怖くてたまりませんでした。
もうひとつは、周囲の目でした。
これまで少しずつ積み上げてきた評価や信頼が、すべて失われてしまっている気がして、傷つくのが怖かった。
当時の私は、「出世すること」に価値を感じていました。
でも、メンタルで休んだ私が、この先どれだけ頑張っても、もう評価されないのではないか。
そう思うと、
「この会社でこの先も頑張る事って、自分のためになるんだろうか?」
という疑問が、頭から離れませんでした。
4. 彼女に相談することで楽になった
両親には、心配をかけたくなくて相談できませんでした。
友人とは会う頻度が少なく、あまり相談出来ずにいました。
そんな中、彼女に話を聞いてもらえたことが、私にとって本当に大きな支えでした。
彼女は以前からずっと、「退職した方がいい」と、ハッキリ言ってくれていました。
私の中には、
「退職して空白期間が出来ると転職で不利になる」
「社会的な価値が下がってしまう」
そんな思い込みが根強くあり、どうしても決断できませんでした。
でも、彼女は何度も同じ話を聞いてくれました。
自分では気づかなかったけれど、この会話が“カチカチの頭”を少しずつやわらかくしていったのだと思います。
彼女のような価値観が異なる、視野が広い人に相談出来たことで、他にも選択肢があることを気づかせてくれました。
5. 復職面談の日が近づくにつれて体調が悪化した
1年半と自分の中で決めていたこともあり、医師に「復職にチャレンジしたい」と伝えました。
復職OKを頂き、会社にも伝え、復職に向けた面談の日が決まりました。
「いよいよか」
そう思った一方で、体調は日に日に悪くなっていきました。
元々、診断書の期限が近づくと調子を崩すことが多かった私。
今回も、結局そのパターンに陥りました。
そして、面談当日までに体調は回復せず、医師からは「復職NG」と言われてしまいました。
あとから聞いた話ですが、医師は、復職にチャレンジすると思っていなかったようで驚いたそうです。
6. “退職”が現実味を帯びてきた
「1年半たったら復職する」その目標は叶いませんでした。
そのとき初めて、“退職”という選択肢が現実のものとして目の前に現れました。
傷病手当金は、2年を過ぎるとゼロになります。
そうなれば、貯金を切り崩しての生活になります。
その間にこれからの方向性を決めよう――。そう、腹をくくりました。
7. まずは自分を知ろうと思った
なぜ休職してしまったのか、全ての原因を自分の中に探すようになっていました。
いわゆる、「原因自分思考」です。
私は、何が得意で、何が苦手なのか、人生をどうしていきたいのか。
どんな働き方が合っていて、どんな環境なら安心できるのか。
これまでは「頭でがんばらなきゃ」が先に立っていたけれど、
ここから先は、「心がどう感じるか」を大切にしてみようと思いました。
おわりに──失敗は経験。だからこそ、次の一歩がある
復職出来なかった。当時の私は、それを「ただの逃げ」だと思い込んで、めちゃくちゃ自分を責めました。
でも今なら、こう言えます。
自分なりに、精いっぱいやった。
でも、自分は「無理だった」「嫌だった」。これが、本音なんだと。
「嫌!!!!」っていう気持ちにちゃんと気づくことができました。
それが、私にとっては大切な経験だったのだと思います。
今の私は、その経験のおかげで、少しだけ自分を大事にできるようになりました。
第6章では、退職までにやっていたことを書こうと思います。
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